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電波掛け時計

３種類の電波時計

一口に電波時計と言っても、地上波用電波時計、地上波＋ＡＭ波（商品名/スリーウェーブ）電波時計、衛星電波時計（商品名/スペースリンク）の３種類があります。

いずれもムーブメントは一般的なクォーツを使用し、電波を受信することで時刻を自動修正しています。

平たく言うと、高性能クォーツムーブメントに受信機がついたものが電波時計なのです。

地上波電波の発信所

電波時計用の地上波は、福島県にある「おおたかどや山標準電波送信所」<40kHz>と、福岡県と佐賀県の境にある九州局の「はがね山標準電波送信所」<60kHz>から発信され、ほぼ日本全域ばかりか韓国まで届いています。（つまり、韓国では修正なしに日本製の電波時計が使用できます）また当然のことですが、電波はこの２局から常時発信されていますが、時計の側から言うと受信したときにのみ自動で修正するので、受信と受信の間は１－２秒の狂いがある場合があります。

受信しやすい環境・受信しにくい環境

地上波を受けるタイプの電波時計の受信する回数は、それぞれのメーカーによって設定が異なりますが、掛け時計、置き時計の場合は１日に12～24回、腕時計は電池の消耗を防ぐため深夜に数回、自動的に電波を受信して時刻を修正するように仕組みになっています。

ただ、日中は携帯やそのほかの様々な電波が飛び交っているので、買ったばかりの電波掛け時計や置き時計が受信し動き始めるのは電波を受信しやすい真夜中からという場合もあります。

電波をどうしても受信しにくい場合奥の手として、時計を標準電波送信所の方向に向ける、という手があります。（東京の場足、福島局は北東２時の方向にあたります）

南北に長い日本で電波発信所はたった２か所！受信しにくいはずだよ、と思われるかもしれませんがヨーロッパでもドイツとスイスの２か所で全地域をカバーしています。（ただし、日本よりも発信している電波が強いようですが・・・）

３種類の電波時計のどれが最適

３つの電波時計のうち、地上波を受信するタイプはすでに一般的で、、掛け時計、置き時計とも価格はお手頃です。ただ、よく言われるようにマンションなどの鉄筋の建物の中では電波を拾いにくく、何日か（ほとんど深夜に受信します）たってやっと受信した、というケースもありますが一度受信すると継続して随時自動で受信するので、コストパーフォーマンスはいいといえますし、最近の物は電波を受信しなくてもクォーツ時計として使用できるものが多いので、お金をドブに捨てた、ということにはなりません。

スリーウェーブ（シチズン・リズム時計の商標）は電波発信所からの地上波だけでなく、ＡＭ波も受信できるというメリットが大きく、固定した場所で使用する掛け時計や置き時計用としては最適です。また、即座に現在時刻を表示する「快速スタート機能」なども搭載し、利便性は従来の電波時計にくらべると格段に進歩していますが、電波障害などでラジオが聞けない場所では使用できません。価格はやや高価（１万円以上／２０１６年）ですが、単３の電池６本で５年電池交換なしで稼働するというのもウリです。

そして、セイコーの衛星電波時計、スペースリンク。１０万年に1秒の誤差という高精度原子時計を搭載したＧＰＳ衛星から発信される電波を時計が受信し、受信可能な場所であれば、世界中どこででも正確な時刻を表示します。ＧＰＳ衛星は現在約30基もが地球の周りの上空約2万kmを飛んでいるので、どれか1基からの電波さえ拾えば正確な時刻を表示できます。家電やＯＡのノイズにも強く、地下などの上空から電波の届きにくい場所以外はあらゆる場所でストレスなく使用できる最新の機能です。

いいことずくめですが、価格は高価で安いもので２万円程度。電池の消費量もやや多めです。（通常単３×３本使用）（セイコーの衛星電波時計は日本国内用に調整されているので、海外で使用する場合は時差を手動で修正する必要があります）

それぞれの特性と価格を比較いただき、ご自身のニーズに合った電波時計をお選びください。