掛け時計

欧米の時計文化を代表するのは「ホールクロック（グランドファーザーズクロックとも言います）」
一般の家庭だけでなく、パブやホテルのロビーや、近代的な会社の玄関に、歴史を感じさせる時計が置かれていることがあります。

それは時を知るという時計の機能だけの為ではなく、置かれている家や施設の歴史と品格、そしてそれを今後も受け継いでいくという信頼の証でもあります。

中でも、圧倒的な地位を占めているのはドイツ製。
ドイツの時計造り産業の歴史は旧く、南部シュヴァルツヴァルト（黒い森地方）の豊富な森林資源を活用した長い冬場の家内工業として、１６００年代初頭から始まりました。

当初は、機械部分の振り子と文字盤が木製ケースに収まっているだけのシンプルなものでしたが、やがてヨーロッパの政治、経済の躍進と歩調を合わせるように、外装にも凝るようになり、 一家の富を象徴するように装飾性を高めていきました。

しかし手作業による機械部の組み立てや、精緻を凝らした木部の装飾など大変な手間がかかるため、残念ながら現在ではメーカーとして残るのは世界でも数社となっています。

※当店の機械式ホールクロックは、コストを省き、より多くの方にこれらの時計の良さを知っていただきたいという思いから、心臓部のムーブメントは信頼のドイツ製を、木部ケースはシンガポールの欧米向け高級家具会社に制作を依頼しています。